我輩はタイガである

ウサギ目線で観る、ご主人の介護奮闘記

次男の赤い翼

2月2日、吉日。

おばあちゃんの次男が県外から帰って来た。

ご主人からすると実の弟に当たる人だ。

 

帰って来たと言っても日帰りで、娘の結婚に伴う両家顔合わせの為の帰省である。

余談だがその娘というのがたまにこのブログに登場する姪っ子で、1人娘の結婚話に急遽弾丸で戻って来てくれた訳だ。

 

その次男とおばあちゃんの間にはちょっと印象的なエピソードがある。

 

次男が長年経営した自営業を辞めて、ずっと夢だった県外での仕事を決めた時の事だ。

中庭で寛いでいる時、不意におばあちゃんがこんなセリフを口にした。

「あんた、背中に赤い翼が生えてるけど

どこか行くのね?」

次男は大層驚いた。

何故って、おばあちゃんにはまだ一言も県外に行く事は話していなかったのだから。

「自分のはやる気持ちが、おばあちゃんには見えたのかもしれない」

と次男は言っていた。

 

おばあちゃんくらいの域になると、人の想いも、形になって見えるのかもしれない。

 

宿り木に、ほんの一瞬

赤い鳥が帰って来た。

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